代表理事・松﨑康弘の心の声

代表理事・松﨑康弘の心の声。置き忘れてきた大切な何かを探して

海の見える、駅から徒歩3分の末続地区造成地

 私たちは、福島県いわき市末続すえつぎ地区に造成された「いわき市防災集団移転跡地」を活用した「オリーブの里づくり」を目的とする一般社団法人です。

 人の生き方を模索し自然との調和を感じる機会創出の場として、「オリーブの里」を末続の地に求めました。

 この地に集う人たちとともに土づくり・地植えから始めて、ゼロからのオリーブ栽培を体験・学習していきます。若木の成長に寄り添って、実の収穫に至る=オリーブ栽培を実践していきます。これに到る経緯には、深い反省がありました。

震災を経て北限の地でオリーブの事業化に取り組む

 約12年前、疲弊した地元農業の回復と新生に向け、オリーブに着目し収穫された実から採れるオリーブオイルを使った加工食品の開発に携わってきました。この間、大震災・津波、原発事故といった災害・人災に見舞われながらも、栽培不可と言われた北限の地・いわきに、オリーブを根付かせる第一歩を踏み出すことができました。

 私の反省の一番は、オリーブの知識がないままに成果を求めすぎてしまったことです。

 いわきのあちこちにある限られた面積の農地・遊休地を借り受けた栽培は、樹間の狭さゆえ根が伸び切らず、また重なる枝に遮られ陽光も乏しく成長を阻害、多くの樹々が病気に罹りました。

 …いつしかそれを当たり前のことと思うようになっていました。致し方のないこと…弱い木もあれば強い木もある、環境は変えられない、自然の摂理等々。

 枯れていく樹々を見て、残念とは思っても、それ以外の感情を置き忘れたかのように、搾油に成功したオリーブオイルの商品化に一喜一憂していなかったか? いわき産バージンオイルの誕生は素晴らしい、そのことでいわきのオリーブが少しずつ人に知られるようになった。

 でもそれは、栽培を助けてくれていた多くの仲間たちが離れていくきっかけにもなったのではと、今改めて思います。

地元民と地元民でないものの協創で作り上げる

 私たちは、何のためにオリーブを育てるのか?その答えを求めて、末続・オリーブの里づくりを始めます。コロナで寸断されてしまった仲間たちとの活動も少しづつ戻りつつあります。この6月には、東京からのボランティアの皆さんも一緒に、試験栽培を試みました。思いがけない新たな出会いや里づくりのアイデアもたくさん生まれつつあります。

 宜しければご一緒に、協働する里の一員に加わって、いわき末続の自然とオリーブに向きあっていただけますか?

 これまでの轍を踏まず、6~8mの樹間をとって、2023年から80本の若木を初植えします。もし貴方にも、置き忘れて来た大切な何かがあるとしたら…JR常磐線・末続駅から徒歩3分にあるオリーブの里でお待ちしています。

2023年1月末日 代表理事 松﨑康弘

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